埼玉大学研究シーズ集2022-23
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64キーワード植物、細胞壁、多糖類、プロテオグリカン、単糖、オリゴ糖、構成糖分析、構造決定、グルコマンナン、アラビノガラクタン構成糖分析(多糖類がどのような糖でできているかがわかります)強力な酵素によるオリゴ糖合成■?研究概要セルロース、ペクチン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン、グルコマンナンなどは、いずれも植物細胞壁の多糖類です。これらは野菜や果物、穀物に含まれており、実は知らず知らずのうちに毎日食べています。このように細胞壁の多糖類は身近にあるにも関わらず、ほとんど有効利用できていません。私たちは、これらの細胞壁の多糖類が植物の中でどのように合成、分解されるかについて研究しています。私たちは基礎研究に従事していますが、「有用な多糖類を増産する」、「精製度を高める」、「構造改良して機能性を改良する」といったことを常に意識して研究しています。地球上で最大のバイオマスを占める細胞壁の多糖類は、今後次々とその機能性や新たな用途が見つかり、利用が拡大すると期待されます。ヘテロで複雑な構造をもつ細胞壁の多糖類は、扱いにくく敬遠されがちですが、その分まだまだ未開拓で取り組み甲斐のある面白い研究対象です。■?産業界へのアピールポイント●多糖類は扱いにくい分、まだ開拓の余地があります。●どんな野菜?果物?穀物にも細胞壁の多糖類があり、未利用のものが多いです。●多糖類の性質や構造、分子サイズがわかることで、用途が広がる可能性があります。●特異的な分解や構造改良で、新たな用途が生まれる可能性もあります。●構成糖分析(構成している糖の種類とそれらの比率)は比較的簡単にできます。■?実用化例?応用事例?活用例私たちは企業の方々の研究にも貢献します。これまでに以下の実績があります。●細胞壁多糖類の構造解析に関する研究(2社)●多糖類の調製?精製?分解方法に関する研究(3社)●製品開発も含めたご相談への対応(2社)小竹?敬久(コタケ トシヒサ) 教授大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域【最近の研究テーマ】●グルコマンナンの構造改良に関する研究●植物生体内でのアラビノガラクタンの糖鎖改変に関する研究●植物特有の糖L-アラビノースの合成経路とその起源に関する研究●植物生体内のビタミンCの合成制御に関する研究●生理活性をもつオリゴ糖の大量調製方法の開発多糖類は多種多様、付加価値を探してみませんか?

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