埼玉大学研究シーズ集2025-27
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社会基盤●テレビ番組「大江戸ルネサンスサミット 2025」にて討論者として出演(NHKBS プレミアム 2025●『二代目市川團十郎の日記にみる享保期江戸歌舞伎』(文学通信,2019 年)● 歌舞伎と女性:劇場のオーナー(座元)にも女性がいたのに、歌舞伎の歴史には登場しな● 江戸の芝居茶屋のマーケチング戦略:芝居茶屋はいかに大名屋敷に宣伝物から季節の贈り● 20 世紀の文人の旅日記から読み取れる近代の芸能界28【最近の研究テーマ】いのはなぜ?物を提供することで、パトロンとの関係を養っていたか?産業界へのアピールポイント実用化例?応用事例?活用例BJOERK TOVE JOHANNA(ビュールク トーヴェ ヨハンナ) 教授大学院人文社会科学研究科観客のお世話する芝居茶屋中村座の前キーワード 都市空間 歌舞伎劇場 商業圏 公共圏 日記研究● エンタメ業界への歴史的理解が得れる● 十三代目市川團十郎襲名特集テレビ番組「Danjuro - A Star for Three Centuries」にて解説者● National Geographic 誌『Kabuki and Noh are evolving with times』出演(2023)松竹株式会社からはじめ、日本のエンタメ業界は日本の社会を支える重要な組織である。その根元は近世期の歌舞伎劇場にまつわる商業圏にあると考えられる。近世期の日本の封建社会の中で、歌舞伎劇場はよく権力者と対立する立場にいたにもかかわらず、歌舞伎劇場は江戸の町から消えたことはなかった。その原因は一方、地主や芝居茶屋など関連行者は劇場に集まる観客から利益を得て、劇場は多くの人々の生活を支える、独立した商業圏の要となっていたからである。本研究の一つも目的は劇場をまつわる商業圏の働き方を明らかにすることだ。しかし、もう一方、歌舞伎劇場は封建社会の中で、身分を問わず、誰もが入場券を購入できる空間であったため、貴族や武士から町人の娘らまでは同じ屋根の下で同じ舞台を鑑賞していたので、身分を超えた共通認識が生まれたから、歌舞伎劇場は江戸の町に不可欠な存在となっていた。本研究は、18 世紀の前半に歌舞伎業界における大きな業績を残した二代目市川 團 十 郎 や 歌 舞 伎 の 常 連だった大和郡山藩藩主柳沢信鴻の日記から、歌舞伎劇場に、具体的にどのような人々は集まったのか、そして、彼らの関係を明らかにすることを目的とする。として出演(NHK World, Kabuki Kool シーリース 2022)年正月放送)日本におけるエンタメ業界の誕生―劇場はなぜ江戸の町から消えなかったのか?

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