ゼミで議論を重ねた政策提言を埼玉県知事に届けた!-知事と学生の意見交換会-
2024/11/11
11月1日(金)、本学の学生が、大野元裕埼玉県知事に政策を提言する「知事と学生の意見交換会」が開催されました。この取り組みは2010年に始まり、今年で15年目を迎えました。若者の感性を県政に活かすとともに、大学を生きた学習の場とすることを目的としており、これまでに学生たちの提案をもとに実現に至った政策もあります。
これまでに提言が反映された主な事例 | |
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「内定に直結するインターンシップ参加への誘導策」として、埼玉県企業ガイドにおいてインターンシップ実施企業の検索機能を整備 | |
中小企業のDX導入を後押しする「DX診断チャート」を県HPに掲載 | |
「アスリート就職サポートセンター」によるセミナー開催などのキャリア支援 | |
遊びながら消費者トラブルを疑似体験できる「悪徳商法体験ボードゲーム」を県内の高校などへ配布 | |
がん検診を我が事に感じるようにデザインを工夫した、思わず内容を確認したくなる圧着式の子宮頸がん検診受診勧奨はがき |
今回の提言にあたって学生は、埼玉県職員による出前講座を聴講し、その上で現地調査や文献調査などを行いながら政策研究を進め、以下の5つのテーマについて提言しました。
今回の政策提言のテーマ | 発表者 |
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視覚聴覚による犯罪者の行動抑制とリスク体験による防犯意識向上施策 | 工学部 小嶋文 准教授ゼミ |
未来にきらめく下水汚泥肥料と県産農産物 | 経済学部 有賀健高 教授ゼミ |
沼る見沼 | 経済学部 内田奈芳美 教授ゼミ |
学生から進める男性の育児休業取得促進 | 経済学部 大津唯 准教授ゼミ |
興味のタネをまく!埼玉県職員募集の新たな広報戦略 | 経済学部 江口幸治 准教授ゼミ |
工学部 小嶋文准教授ゼミでは、自転車盗が多発している現状を踏まえ、①盗む側の行動心理を体験するイベント開催、②小学生の防犯川柳を音声化し駐輪場で再生する施策を提案しました。これらの施策を通して自転車の施錠の重要性を伝え、地域全体の防犯意識向上を図るとともに、自転車盗の抑止を目指しています。
経済学部 有賀健高教授ゼミでは、「下水汚泥肥料に対する認知度が低く、悪いイメージが先行してしまう」という課題へのアプローチとして、安全性や有益性を伝える広報ポスターを制作することを提案しました。「バイオソリッド」という名称を使う?実物の写真を添えるなど、ネガティブな印象を払拭する工夫が凝らされていました。
経済学部 内田奈芳美教授ゼミでは、かんがい施設遺産である「見沼代用水」や周辺の地域資源を活かし、見沼地域の魅力を伝える方法を検討しました。若者をターゲットとして、①サイクリングロードと組み合わせたQRコードラリーの開催、②農産物直売所などの「食」の拠点整備、③低コストで効果が見込めるPR動画の制作が提案されました。
経済学部 大津唯准教授ゼミでは、学生が就職先選びの際に男性育休取得実績を重要視している点に着目し、①採用活動支援、②経営者の意識向上の必要性を伝えました。具体的な取り組みとして、埼玉県の認める「男性育休推進宣言企業」と高校?大学の連携強化や企業経営者と学生との座談会の開催が提案されました。
経済学部 江口幸治准教授ゼミでは、埼玉県職員の業務説明会等の取り組みの現状を踏まえ「埼玉カレッジピッチ」と題した課題解決型ワークを提案しました。スキルアップというメリットを強調することで幅広い学生層を取り込み、公務員に対するマイナスな先入観を払拭して志望者増加につなげることを目的としています。
大野知事による全体講評では「今回は面白いだけでなく、すぐに対処すべきトピックが多かった。提言発表を聞いて頭の中にアイディアがいろいろと浮き出てきたので、社会的課題の解決に向けていい形で伸ばしていきたい」と熱く語られるとともに、発表した学生および指導教員への感謝が述べられました。大野知事と学生との記念撮影も行われ、盛会のうちに終了しました。