漆の箸づくりから学ぶ日本工芸-工芸家 三田村 雨龍氏による講義を開催
2023/11/8
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講義後の集合写真
日本人学生?留学生がともに学べる「国際共修授業」として開講されている「Introduction to Japanese Culture」。この科目は、日本文化や芸術に造詣の深い方々を講師に迎え、第一線で活躍する方々から直接お話しを伺うことができるだけでなく、体験や議論を通じて理解を更に深めることができることから、将来グローバルに活躍したいと願う学生や多くの留学生が受講しています。
11月2日(木)の授業では、工芸家 三田村 雨龍氏をお招きし、箸づくりを通して日本工芸を学びました。今回箸づくりに使用しているのは、折れてしまったバットやバットを作る際にでる端材を再利用したもの。口に入れる部分は、樹液で作られた漆でコーティングされています。漆は有害物質を含まず、耐久性にも優れています。三田村氏からは、「使い捨ての割り箸にもメリットはありますが、繰り返し使える、そして天然のものから出来ているマイ箸を作り、持つことによってSDGsを考えるきっかけとしてほしい」とのお話をいただきました。
マイ箸作りはまず、のこぎりで自分の手の大きさに合った箸の長さに切るところからスタート。次に紙やすりで切った部分を滑らかにして長さを揃えます。その後は自分でデザインしながらカラーペンで色付けを行いました。それぞれ自分の好きな色や柄、国を代表する色など、思い思いのデザインを描きました。
数多くの留学生が参加している本講義。「日本に来る前に箸を使ったことがあるかどうか」との問いかけには、アジア諸国の留学生はもちろん、イタリアやアメリカ、トルコ、インド、ウクライナ、ハンガリー、スイス、スリランカ、ブラジルなど、世界各国でも日本食レストランではお箸が置かれていて、使ったことがあるとの回答に、日本人学生からは驚きの声が上がっていました。
学生からは、「お箸作りで日本文化の大切さや作ることの楽しさに気づきました」「母国にいる両親に箸の写真を送ったら、『お箸をあと2膳作ってほしかったな』と返事が来ました」との声が寄せられています。
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説明する三田村氏
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のこぎりで自分に合う長さに切ります
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やすりで削って長さを揃えます
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自分の好きな色を塗っていきます
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乾かしては色を重ねます
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ブラジルの戦士”パワー”柄のペイント
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個性際立つマイ箸!完成が楽しみです